伊豆半島の東にある伊東市は、熱海に次ぐ温泉街として有名です。その街はこじんまりとしているものの、いわゆる温泉街とは違い、商店街もそこそこ賑やかで町としての景観も合わさった観光地の風情があり、なかなか情緒があるいい街だと私は思っています。

この街を散策すると海に近い街並みにひときわ威厳のある黒い木造建築の古い商家がひっそりと建っていることに気がつきます。

これは、明治に生まれ、大正、昭和と激動の時代を生きた偉人、太田正雄の生家です。

太田正雄は本名で、一般には『木下杢太郎』と言うペンネームで有名です。したがってこの建物は現在『木下杢太郎記念館』として保存されています。

太田正雄は、ハンセン病などの研究をした医師であり、死の床まで書き続けた日本画の画家であり、詩人、劇作家、翻訳家などで大正から昭和初期に北原白秋や与謝野鉄幹、石川啄木、森鷗外らと交流した芸術家でもありました。

彼の残した作品や医学会における功績は素晴らしいもので全てにおいて一流を極めた才能はまさに偉人と称するに値します。

恐らくは大変真面目な努力家だったと思われますが、記念館の展示物を見るとその創作意欲の旺盛さに驚きます。いったい医師、大学教授を本業にしながら、いつ作品を書いたのかと不思議でなりません。

現在ではそれほど有名ではありませんが、なぜか私はこの記念館の存在を知った時から太田正雄はとても気になる存在に思っていましたが、調べて見るとなんと、昭和五年頃に東北大学の教授として仙台に赴任していた時の住まいが私の実家と目と鼻の先だったのです。

記念館の窓口の女性に「太田正雄の子孫の方はいるのですか?」と尋ねてみると、まだ娘が三人90代でお元気だとのことです。それを聞きなんだか少し嬉しく思いました。

記念館をあとにして、いつか偉人は忘れられ、才能が眠りにつくことに全ての人間の生と死を思わざるを得ませんでした。

伊東温泉を訪ねたらぜひ『木下杢太郎記念館』を訪ねてみてはいかがでしょうか?自分とは何か?短い期間でも誰かの記憶に何を残せるのか?それを考えさせられます。


アクティベイト株式会社

代表取締役社長 海老一宏
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