中小企業の社長が、何故大企業の管理職経験者に興味を持つかを二回に分けて書いてみました。

そのどちらもが中小企業ならではの理由です。

一つは、組織体制が脆弱であり、本来企業が必要とする重要な部門が育たないが、いずれ企業の成長とともに必要となること。

そして二つ目は、そもそも、中小企業は経営レベルを担えるような人材が不足していることを上げました。

中小企業、零細企業といえども社長一人でなんでもかんでもやっていくのは、限界があります。企業は社長がなんらかのきっかけで創業するものですが、経営の安定とさらなる成長を考えれば、経営陣として複数の取締役による合議制による経営に進化していかなければなりません。ちなみに、今は取締役が一名でも会社を創業できますが、私の時は最低3名が必要でした。私以外にもう2名を探すのは大変だったことを思い出します。そんなにおいそれと今ある仕事を辞めてリスクのある創業に付き合ってくれる優秀な人はいません。そう言う意味では今は、大変創業しやすくなったといえます。
たった一人で、資本金も一円でもいいのですから。

中小企業の社長は、創業と同時に自分では経験したことのない分野、例えばどの会社でも必要な経理や財務、人事や法務などの管理系の仕事や、ホームページの作成やネット広告などのITに関連したことなど、会社経営のあらゆることにそれなりに対応をせまられます。マンパワーの無い中で自分の力でこなしていかなければなりません。こうした仕事がやがて限界を迎えることで人材が必要になってくると言うことです。

そして、この創業社長の普通のサラリーマンが経験したことのない、会社を立ち上げて軌道に乗せるための、24時間、365日気を抜けない、何でもやらなければならない、否応も無い、細かなところまでの努力を続けた経験がこれから採用する社員への厳しい対応になる要因になっていきます。今大企業に育った会社の社長も創業期にどれだけの苦労をしたか。日経新聞の私の履歴書は、語られることのなかった社長の実態を知ることができる貴重な情報です。

次からは、こうした中小企業の社長の創業の思いと社員に対しての感情について書いていきます。


今日も一日笑顔で元気に!
アクティベイト株式会社
代表取締役社長 海老一宏

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