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ファッションに興味がある人ならその言葉は富の象徴のように思えるだろう。

それはエルメスのバック「バーキン」

そしてこのバーキンと言う名前は、イギリス生まれでフランスで生活した女優、歌手、モデル、社会活動家のジェーン・バーキンが由来であることも知っているかもしれない。

しかしジェーン・バーキンとは何者なのかを詳しく知る人は少ないだろう。

私もその一人であった。

今月号の「ビックイシュー」（ホームレス支援雑誌）のメインテーマはこのバーキンが取り上げられていて、私はこの人物を知ることになった。

エルメスの「バーキン」は銀座のクラブのママさんや売れっ子ホステスさんの言わば自分の価値の象徴のように捉えられているし、お金持ちの女性達は価値の下がらない、車で言えばフェラーリのような財産としていくつも所有している人もいるようだ。

バックのバーキンのこういうイメージから女優のジェーン・バーキンを世界的に有名な華やかな世界にいる有名人として想像していたが、それが全く真逆の人であることがこの雑誌の記事で知った。

バーキンは、3月11日の東日本大震災の数週間後、世界中が福島原発の放射能に怯えている4月6日に周囲の反対を押し切ってパリからたった一人で空っぽの飛行機で来日し、渋谷パルコの前で募金箱を手にアカペラで歌を歌っていたのである。

しかも彼女は当時64歳。重い病気で病院に入院しており週に三回の点滴が必要なのにも関わらず病を押して一人で来日していたのだ。

これ以外にも日本との関わりは深く、2013年には日本の外務大臣表彰を、そして2018年に旭日小綬章を授与されている。

人生の後半、人道支援を続けたバーキンは、常々「人間には善意がある」と口にしていたと言う。

娘の女優シャルロット・ゲンズブールは母バーキンの人生哲学をこう表現している。

「人生を警戒せず、人を信じ、すべてに興味を持ち、寄り添う」


そのバーキンは今年2023年7月16日、パリの自宅で76歳の人生の幕を閉じた。


こんな人がいたんだ。こんな人生があるんだ。


バーキンと言う名前は、富の象徴のバックだけではなく、人道支援家として東日本大震災の復興をいち早く手がけた外国人の一人の名前であることを覚えた。


それにしても、何故エルメスがバーキンと言う名前のバックを作ったのか。

それは、たまたま飛行機で隣に座ったエルメスの社長がバーキンの持っている籐のカゴに無造作に物を入れているのを見たからだとのこと。

バーキンがバーキンを持ち歩いたかどうか？

どなたか詳しく知っている人がいたらぜひ教えてください。


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アクティベイト株式会社
代表取締役社長 海老一宏

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